滝おやじの巨石奇石の地学 訪問記録 | ||||
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小型のコアストーンが破断した岩塊が、扇状地礫層の礫となっていたものが、掘り出されて露出し、表層が風化して、特徴的な平行の剥離割れ目が出来ているもの。 <観察> 甲州市勝沼町中原地区のフルーツライン路傍にある形状の変わった石。 傍らの看板には、「牛奥ク八石の一つで、木曽義仲の四天王中原三郎の鎧をかけた伝説が残る」とある。 中原地区は甲府盆地東縁で鬢櫛川のつくる急な開析扇状地が広がっていて、その低位扇状地面上にある。 高さ1.1m、長短 1.4×1.2mほど、以前のコアストーン面が半面に見られる破断岩塊である。フルーツラインの造成時に現在位置に1〜2m移動したとのことで、現在は完全に露出した状態である。 さして大きな岩塊ではないが、岩塊表面が表層剥離して、平行な破断割れ目が入り、特徴ある形状をしている。 破断による全体形が兜に似ているし、なんといっても、表面の表層剥離による平行割れパターンが印象的で,ネーミングにぴったりの石である。 この表面の平行パターンの破断表層割れ目は、花崗岩類の露出岩塊にしばしば見られる、地表露出後の風化作用による形状であると考えている。 そのことから、この石は、最近の移動以前も長期に露出状態であったと思われる。もともとは、扇状地礫として地下の礫層中にあったものが、扇状地面の農地造成時に掘り出され、その後長く地表に露出した結果、風化した形状であろう。 近くの民家石垣にも、同様の風化形態を示す石があった。 |
中原地区の扇状地面を望む 山梨県はどこにいっても、里山がかっこいい |
鎧石と扇状地面 車はベリーサ。スケール代わりと言うことで。 |
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鎧石 破断前のコアストーン表面 |
鎧石同様の平行剥離パターンを示す岩塊 |
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