2005年友の会滝めぐり観察会・神流川、両神山の滝 記録 その13 丸神の滝
  <観察ポイント 丸神の滝>
 横須賀 英二氏撮影提供
 <現地資料>    
埼玉県小鹿野町(旧両神村) 丸神の滝

支流型の滝 
 位置:大体の緯度経度は北緯35゜59′16″ 東経138゜53′07″(日本座標)
 地図の場所は⇒ここ

 流域面積: 0.93k㎡

岩質は秩父系の砂岩。3連76mの連瀑、3連目が主滝で50mの溝状急斜瀑。
対岸より滝下を除く滝面ほぼ全部を望む。

荒川水系小森川の支流にある。

滝の立地:
一見、チャートの薄層などの硬岩層があって、侵食がすすまず単一の巨瀑を作っているのかなあ、と見えますが、どうも硬岩型の滝でなく(滝上に上れないみたいなので確実じゃないですが)、断層の破砕帯を掘り出した断層面にかかる滝みたいですね。
 つまり、滝より下流(画像の左方)は断層線に沿って掘り込んだ深い峡谷となり、峡谷の上端で川が断層線を外れて直角に曲がり、峡谷斜面=掘り出された断層面起源の急斜面 に滝を懸けるようです。 

滝下広場は画像右手の、断層破砕帯の崩落崖からの崩落巨礫で埋積されている


丸神滝付近の断層線予想図。

 細かい地質図がなくて、断層線の位置が明確じゃないのですが、丸神の滝付近の谷が断層を掘り出した谷なのは現地で見て間違いないと思いました。・・・・ 滝の右手山腹(図の丸神の丸の字の上の印)に断層起源の崩壊が見え、滝の下流の谷壁が断層面起源だと思います。

 周囲の関連する断層関連の線構造を読図してみました。

 緑線は、山脚と谷の遷急点からひいたもの。
 青線は、譲沢の東方まで、引かれている断層に連続すると思われる西の延長を引いたものです。
 ・・・補足・・・青線は、丸神滝より西では、976の北西の尾根の山脚と976の西の沢の屈曲点を繋いだ線かもしれません。あるいは両方あるかも。

 露頭で確かめなければ、2本とも断層が存在すると言い切れません。緑線の方は侵食前線の可能性も高いですね。 丸神滝の下流の断層地形がどちらの断層によるのか、あるいは、2本ともあるのかは、何ともいえません。
 もし、緑線が侵食前線によるもので、青線が断層だとすると、丸神滝の支流だけが大きな単一の滝を作っているのに対して、他の支流では、地形図から見ると、支流遷急区間が瀑布帯になり、大きな単一滝がないらしいことを、きれいに説明するかも。
 また、緑も青も2本とも断層が存在すると言う場合は、断層の合流により破砕帯の幅が大きくなったことが、原因と言えるかもしれません。
 どちらもありえる話だと思います。
国土地理院2.5万地形図「三峰」より作図。
   <追加説明>

   <現地アルバム> 石井良三氏作成原本より編集転載。画像と文章は石井氏による。




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