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 千葉県立中央博物館友の会 2007年事業
滝めぐり 茨城・福島浜通の滝-計画書
(実施済みです)
 <講師よりお願い>

「滝めぐり観察会」は、滝の地学について、講師の薀蓄を聞きながら、千葉県内や県外の滝を観て廻るという催しです。
講師は、「滝を観る-千葉県の滝を例に-」というHPをやっていて、その筋では有名または奇人とされています。

とはいえ、地学や自然景観に興味のある方なら、どなたでも、楽しくまわれます。
滝の地形を、「動いている地形」として、過去・現在・未来を考えながら、観察していくという立場で、滝を観ています。

今年度は、隔年の県外の滝を観る年で、今まで、秩父系・三波川系などの地質の関東山地など外帯の山地の滝を観ることが多かったので、今年は、内帯の山地として、阿武隈山地を選び、阿武隈山地の滝を見に行くことにしました。
 阿武隈山地は、観光地でなく、高い山もなく、こんな機会でもなければ、まず行きっこない地域ですが、そこを、面白く、興味深くまわりたいと思います。紅葉もいいかも。
 ということで、申し込みのほどご検討お願いしたく、よろしくお願い申し上げます。
浅見川渓谷 不動滝
阿武隈山地東面の第2遷急点にあり、阿武隈の
滝通例の立地をしている滝です。
滝の形状は、細節理の花崗岩タイプ
 <計画>

名称 滝めぐり…北茨城・福島浜通りの滝

実施日:平成19年11月3日(土)4日(日)…一泊

コース:1日目は北茨城市、多賀山地の県立自然公園内にある花園渓谷の七ツ滝・与四郎の滝、千猿・落雲の滝を見て、福島県に入り、広野町浅見川渓谷の不動滝を見て、そばの薬湯温泉・大滝旅館一泊。

2日目は、夏井川をさかのぼり、夏井川の支流同士の河川争奪の跡である、今回のメインサイト・背戸峨廊(せとがろう)の「とっかけの滝」「片鞍の滝」などの滝を往復。ハシゴはあるけどしっかりした遊歩道を往復。、歩行2時間、お話1時間の計3時間で、ゆっくり廻ります。最後に鮫川村の江竜田の滝をみて大洗経由帰路。
歩き標高差100m、歩行2時間というところです。 ついでに、背戸峨廊全部踏破希望の方は、踏破可能。

通なので、袋田の滝にはよりません。(^_^)

集合: JR千葉駅正面前方300m NTT前 8時30分
     茨城方面の方は、水戸周辺でなら待ち合わせ可(相談しましょう)

講師: 吉村光敏(友の会)
費用: 18000円見込み
申込み:10月26日(金)まで 友の会会員以外でも参加可能です。人数に限りありますので、すでに若干名です。
ご希望の方は、メール(滝めぐり担当あて) doutakioyazi@infoseek.jp へご連絡ください
HP
です。 今までの、滝めぐりの記録ホームページは、こちらにあり → 「滝めぐり地形めぐりの観察とメモ」
 
 <背戸峨廊の滝 下見して>・・・滝の形について

 背戸峨廊は、夏井川の支流江田川の渓谷で、区間長2,000m、比高250mもの遷急区間を作っています。
 岩質は花崗岩。岩質は新鮮で、マサ化してない。節理間隔が、1m以上のものは無く、細節理タイプです。
 比高10-35mの瀑布帯が7つ(廻り淵、トッカケ、片鞍、黒鍋、龍の寝床、鹿の子、三連・・・とします)あり、最大の滝は、片鞍瀑布帯の龍門滝の19〜20mです。
 観光案内や滝の本に書いてある滝の高さの数字は、みな2倍以上過大で、簡易に測って、トッカケ滝 11m、片鞍滝 7m、鹿の子滝 10m、見返り滝14mぐらいだと思います。急いでいたので、きちんと測っていませんが・・・。

 個々の滝のオーダーで見ると、節理系の節理面に沿って掘り出した形が多い。
 たとえば、平面形では、瀑布帯内の流路平面形は、節理系の平面形に規定された直角にまがる流路で、その曲がり角の上流側に滝が立地します。
 滝面の傾きが直下型の滝と30度ぐらいの傾斜した滝があり、花崗岩の節理系のどの面を掘り出すかによって形が規定されているようです。
 東西方向の滝面の滝は直下型、南北方向の滝面の滝は傾斜型になっています。
 
 また、垂直方向で見ると、滝面形式が、花崗岩の節理間隔が1-2mの細かさなのに対応して、片溝型、両溝型の直線溝状の副滝が発達する滝が多かったです。


 (画像紹介) 背戸峨廊のトッカケ滝 11m
黄色線は1.7mの目印、観光案内の滝の高さが20mなんてありますが、11mぐらいでしょう。岩質は花崗岩。
 この滝は、川を横断する向きの節理面が滝面になっています。この上流に、節理系を掘り出した見事な連瀑がある。
 <背戸峨廊の成因 下見して>・・・河川争奪

 背戸峨廊は、阿武隈山地の中央部を流れる夏井川の支流江田川の渓谷で、阿武隈山地の頂部の小起伏面を流れる川が、夏井川本流の下流の峽谷部で、本流に流れ込むのですが、そこで、区間長2,000m、比高250mもの遷急区間を作っていました。

 房総の川なんかは、遷急区間比高が30-40m程度で、関東山地の川でも100-120m程度ですから、桁外れに大きいといえます。

 400m程度の低い山地なのに、何でそんな大きな遷急区間なのかは、江田川が、本流に下流で合流する加路川を河川争奪したためでした。
 この現象は、地形図で一目瞭然なのですが、どうゆう訳か、市史にも看板にも何にも書いてありません。

 当日は、争奪した結果できた、風隙などにも行ってみたいと思います

原図(カシミール3D添付の国土地理院5万分の1地形図 川前 )
 <友の会行事担当より補足>
 友の会会員以外の方でも結構です、ご家族お友達を誘い合わせの上、ご応募くださるようご案内いたします。また上記の計画に付け加えて下記の補足をいたします。
(1) 第1日目(11月3日)の昼食は各自弁当を手当てして下さい。道中コンビニ・SAなどに立ち寄って購入の便宜も計らいます。
(2) ゴム長靴の準備は要りません
(3) 小雨決行ですが、最悪中止の場合には、前々日(11月1日)までに直接皆様に電話でご連絡いたします。
(5) 宿泊は 大滝旅館(電話0240−27−4111)  福島県双葉郡広野町上淺川字堀切1−1です。
・・・・現在、若干名余裕があります。メール doutakioyazi@infoseek.jp へご連絡ください
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