| 2006年度滝めぐり観察会 「安房地方の良い滝」 現地資料 |
| Loc.1 山口の滝 道路地図上の位置は→こちら 位置 E140.1.45.7 N35.5.22.73(日本座標) 最近の2.5万には、滝記号がある |
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河川名・・・洲貝川 場所・・・・・鴨川市西 高さ・・・・・18m 成因・・・・・本流型の滝 ただし、滝の立地は、保田層の破砕部分と未破砕部分の境界にあり、硬岩型の滝の性格を持つ。==↓下の図参照 地質・・・・砂質泥岩層 逆層? 保田層群青木山層 変遷・・・・滝が形成され始めたばかり 形態・・・・線滝 条瀑 壁状直下型 滝壷埋まっている。 滝面の変化・・・階瀑化しはじめてます。上1/3ぐらいが将来分裂すると見る。 ==↓下記の滝下での観察参照。 安房郡誌いわく 「山口瀧 曽呂村大字西野尻の東南隅にあり。高さ五丈八尺、濶さ一丈四尺あり。」 なお、滝付近の小字を山口という。 滝上に、明治18年建立の不動明王石像あり。明治十八年 本願人 字奥畑 鈴木太郎右エ門 字山口 大久保 紋エ門 明治十八年十一月 とある。 見所 水量があると、安房地方随一の滝です。 下流上流に滝はなく、単一の滝で遷急点をなしている。 破砕された保田層のなかに、幅のやや広い谷を掘ってきて、未破砕の部分に当たって行き止まり、その崖に落ちていると解釈される。侵食が始まったばかり、侵食力は大きくない。 階瀑化しはじめてます。上1/3ぐらいが将来分裂すると見る。 |
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![]() <滝の位置と地質> 滝の位置は、地すべり地と山地の境にありますが、地形の違いが地質の違いでもあり、滝の下流地域は、破砕された地層からなり、滝の上流は、未破砕の地層からなっています。 滝下の谷は、河川の回春により、地すべり地を掘り込んだ川の峡谷で、地すべり堆積物やその他の破砕された基盤岩を掘ってきたので、幅広い谷となり、未破砕の岩石との境界が崖になって滝がかかっていると解されます。 成因的には、本流型の滝がより硬い岩のところで滝が作られ始めたばかりといえますので、硬岩型の滝の性格も持っています。 地質の解釈は、千葉県誌自然編によります。 |
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| <滝の名称について> この滝は、地元で立てた案内看板などには、「金杖(かねづえ)の滝」と書かれています。しかし、「山口の滝」というのは、地元からの書き上げ資料を元にして作られた稿本千葉県誌、安房郡誌に書かれている名称です。 ではどちらが正しいのだ? というと、おそらく、両方正しいのでしょう。 滝の地名というものは、地名として公式化されたものでなく、非公式な地名です。そして、1つの滝に複数あることのほうが多いといえます。その村の人には、「滝」「大滝」ですし、隣村の村の人には、何何(所在地の大字)の滝、だったり、何何川の滝です。同じ村の人でも、複数の呼び名があることがあります。 私は、郡誌や県誌などの半公式的な書籍に載っている名称を優先させることにしています。それで、「山口の滝」を使っていますが、「金杖の滝」ともいうことを記録しておくべきという考えです。一番悪いのは、一つにしてしまい、別の名前は間違いだ、などと言うことでしょうね。 信頼性のある文献に名称がない場合は、現在、地元の方が呼んでいる名称の多数決の名称を使うのがいいと思います。 観光名がつけられて、もとの滝名が忘れられつつある滝が多いのは、とても残念なのですが、観光名というのは、それなりに地域住民が納得して使用しているものですから、新称(新たな地名)と考えるべきでしょう。しかし、地名としては歴史性がなく、価値のない名称名ことが多いので 最近つけた観光名称等の新称は、旧称が分かっている場合は、旧称(新称)のように使ったらよいのではと思っています。 滝の名前というのは、伝来の地名で、地域の歴史を語る文化財ですので、観光名で改変してしまうのは、地域の方の総意のもとなら致し方ないでしょうが、基本的には文化財の破壊です。 勿論のことですが、地元民でもないと外部のものが、勝手に名前をつけたりするのは、慎むべきことです。 |
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| 現地記録 画像は、石井良三氏撮影・提供 | |
| <滝へのルート> 滝上は、道の脇で簡単に見ることができます。 滝の下に行くのは、踏み跡がありません。 ずっと以前は、下流の右岸側の杉林の中を川まで降りて、詰めれば滝下に出たのですが、でっかい堰堤ができてしまいいけなくなってしまいました。 滝上右岸の道の脇下に畑がありますので、その下の竹林の中を滝の右岸の崖に沿って降りると滝下に出られます。踏み跡はあったりなかったり。 滝の左岸側からは、崖に阻まれて降りられないようです。 <当日は・・・> 大雨の1日後でしたので、水量が多く豪快に落ちていました。 しかし、晴天の日差しで、滝が光ってしまって、滝の全景は写真にならなかったと思います。 ・・・うまく撮れた方があったら恵んでください。 <おまけ・・・沢蟹君> |
<滝下での観察> 幅の広い谷が下流から続いていて、急に岸壁になってその壁の一隅に細い滝面となっています。 (滝下の幅広の谷底) 谷のどん詰まりの壁は、滝が掘り出したのでなく、滝崖として崩れたもの 均質な岩の場合、このような谷と滝崖は交差した断層線の弱線を掘り込んできた滝がの場合によくあります。 しかし、ここでは、周辺の地形や地層から見て違った条件下でできています。、 、滝の下流地域は、破砕された地層からなり、地表は地すべり地形になり、滝の上流は、未破砕の地層からなり、急な山地斜面(高鶴山)となっています。 滝下の谷は、河川の回春により、地すべり地を掘り込んだ川の峡谷で、地すべり堆積物やそのs他の破砕された基盤岩を掘ってきたので、幅広い谷となり、未破砕の岩石との境界が崖になって滝がかかっていると解されます。 成因的には、本流型の滝がより硬い岩のところで滝が作られ始めたばかりといえますので、硬岩型の滝の性格も持っています。 <滝面の記述> 単一の滝です。上の段を重視すれば階瀑かな。 高さは18m。 川の幅と滝面の幅の差がありますから、線滝。 滝面の縦横比が10+というところで、条瀑。 滝の上部は、分裂した段もなく、侵食はほとんど進んでいません。 川が、水量があれば、滝ができた後、侵食して後退していきますが、この川、もともとそんな流域面積があるわけでもなく、さらに、上流に農業用ダムができていて、取水されているので水量や砂礫にも乏しく、大して侵食していない川で、滝面にも水流侵食の微地形ができていません。 滝面の形を見てみると・・・・上の写真をもう一度利用。 ![]() 滝の上部 1/3の所に段があり分裂を始めています。 それを除くと、滝面は平滑で垂直な壁を作っていますが、表面の地形は水流の丸みがなく、岩石の割れ目の形が出ているだけ。 水流の侵食力の弱い無能な滝ということですね。 |