那須高原自然観察会「初夏の落葉樹林と亜高山の湿原」 車中の前置き解説資料・・・地学関係・・・ 2008/06/01-02 作文・作画 滝おやじ |
目 次 那須観察会目次に戻る HPに戻る | ||
2.参加の趣旨 3.行く途中の景色(東北道から見える山) 4.那須火山の紹介 5.那須火山の成り立ち 6.那須火山の植生 7.1日目ルート図 8.山麓からの那須火山の眺めと、形成順序 (以上は一応出来あがり) 地形の現地解説資料へつづく (作成中) |
1.観察ルート | ||
赤線:1日目(6/1) のルート。 青線:2日目(6/2) のルート。 ●:宿泊地と道の駅。 観察地点 1日目 千葉市〜東北自動車道経由。 茶臼岳ロープウエイ駅より茶臼岳の南半を巻いて、牛ヶ首へ。それより日の出平。 八幡ツツジ園 2日目 中の大倉尾根周回歩道のツツジ探勝コース 沼原湿原 作図:国土地理院20万地形図日光・白河図幅をもとに、石井良三氏、作成提供による。 |
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2.参加の趣旨 | ||
自然観察会「那須:初夏の落葉樹林と亜高山の湿原」は、その名の通り、植物主体で、初夏のシロヤシオを見に行こうというのが売りの観察会です。 そもそも、この観察会は、友の会が主催で、毎年、講師は中央博の先生を頼み、バスで1泊で、県外の植物観察に行くというコンセプトのシリーズの一つだったようです。 私は、「花には興味が無いが、まだ行ったことが無い高山や火山に、泊りがけで連れて行ってくれて、面白い地形や地質がコース沿いに見られるから、楽で良いな。ウッシッシ (^_^)v 」 という、動機不純な参加者として、2回ほど参加させて貰いました。 さすがに、みんなが花を見ているときに、トンカチもって岩を叩いてたり、ルート外れて地形を眺めてたりするので、不良分子として目立っていたようですが、幹事さん達もさる者で、今回もくるなら、講師として、地学の話もしなさいということになりました。 |
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地学関係はこうゆうスタンスで紹介します。
地形の成り立ちと、植生の関係などに絞って紹介することにしました。 (1).那須岳の成り立ちと地形 ・・・地層も一部 那須火山は小じんまりとした火山で凄く見やすくてよいです。 那須火山の成り立ちはこうで、こんな噴出物がこんな地形を作っていて・・・等々、火山地形はばっちりです。 (2) 気候地形として・・・氷期の地形、現在の周氷河地形 那須山地は、冬の季節風に対する第3線山地で、多雪〜寡雪の中間にある。稜線は砂礫でハイマツもあり、偽高山帯の植生が見られる。 氷期の化石周氷河地形もあり、それも含めて、稜線部分の微地形と 微気候区による植生差が興味深い・・・など。 ・・・ということは、下見をして、論文と地質図などを見て少々下調べをして考えたことなのですが、実は、那須山に来るのは下見が始めてなのです。ということは、生まれて2回目に那須山に来て、ぺらぺらと「説明」してしまうわけですね。かなり危ういですね。 というわけで、解説は「○○である」でなく、「○○だそうですよ」ということになるので、その積もりで受け取ってください。 しかし、今まで調査してきた方々の言うことを、ただ鸚鵡返しというのは芸が無いですね。 そこで、私は、「始めてみますが、私から見ると、こうゆうところが変わっていて、この地域の特色として、凄く面白いと思います。」とか、「この地域の地形の物語る問題は、これが全国区の問題だと思うんですよね」といった、私が見て面白いなあと思ったことについて、何故面白いと感じるのかを、お話しようと思います・・・・というか、この手しかありません。何しろ2回目ですからね。(^_^;) |
3.行く途中の景色(東北自動車道から見える山) | ||
東北自動車道で下っていくと、関東平野を、関東平野西縁の山地をかすめて北上していきますが、その車窓から西方に見えるスカイラインの景色を、まとめていえば、 「日本列島の基盤をなす中生代の低い付加体山地と、その上にあぐらをかく第四紀火山群」 ということになると思います。 スカイラインの見えは車窓から一瞬だし、天気にも左右されますので、何が見えるか予想しておいて、心の目でも見えるようにしておきましょう。 |
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東北自動車道の下りで、利根川付近より関東平野周辺のどんな山が見えるか・・・まずは人に聞く | ||
「東北自動車道の下り車線とSAから、どんな山が見えますか?」と、 「山の展望と地図のフォーラム」 http://fyamap.folomy.jp/ の「展望の広場」へ質問してみました。 2008年05月03日の質問です。 教えてくださった情報を以下に記します。 皆さん凄いですね。 1.山尾 望さんより、080503 「PAやSAからの展望が中心になりますが、 http://tenbou.travel.coocan.jp/shwv1/stohoku/shhonb.htm http://www5.airnet.ne.jp/knos/knos3-1.htm をご覧になってみて下さい。 手がかりは得られると思います」 ・・・・・実景の画像集。
2.中村 健さんから、080505 「自動車道ではないのですが、下表は東北本線の各駅間の車窓から見える主な山です。 東北道のルートは東北本線とは離れているところが多いので、あまり参考にはならないかもしれませんが・・・。 ただ、関東平野では、5〜6月は一年のうちで最も霞みやすい季節なので、近くの山(■□☆)が見えても、やや遠くの山(◆◇※)やもっと遠くの山(▲△#)は見えるかどうか心配です。」 HPなど見せて頂いたところでは、 筑波山、日光連山、高原山、大佐飛山、那須岳なんかがよく見えるらしいですね。 ただ、肉眼では見える範囲は狭い角度で、かつ、一望できる場所はないらしいですね。 |
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蓮田SAを過ぎると、右手に見える筑波山は、東北道西方の八溝山地の最南端に当たる山地です。 周辺の花崗岩からなる低山から、一段高く突出する残丘で、ハンレイ岩からできています。 花崗岩とハンレイ岩の風化の差により、ハンレイ岩部分が侵食に対して強く、突出して残丘となった地形として有名ですね。・・・・八田ほか(1981) また、筑波山の山頂は、男体山・女体山の双耳峰になっています。この理由としては、岩盤クリープによって女体山が東方に滑っているため、と言われています・・・羽田野・田中(1989)。 |
利根川付近より関東平野周辺の山地をカシミールで展望 |
全景を知るため、パソコン画面上で、180度展望を作って、見ることにします。 東北自動車道の利根川の橋(「利根川橋」)の上空標高30mからの見え。 下り車線で、羽生IC、羽生PA、利根川越えて、館林IC過ぎて、渡良瀬川越えて、佐野藤岡ICあたりまでの感じかなあ。 90度視界で、北方向と西方向(進行方向と左の車窓方向)の2枚に分けました。 |
<北方の眺め> |
<西方の眺め> |
思川・黒川付近より足尾山地と日光の火山を展望 |
東北自動車道下り車線で、佐野SAから栃木IC、都賀西方SA辺までは、足尾山地の裾を走ります。 都賀西方SAを過ぎて、鹿沼ICまで、渡良瀬川水系の思川、黒川とその平野になります。その先、鹿沼ICを過ぎると、大谷PAあたりで、古賀志山などの第三系の山が迫り、鬼怒川水系との分水界となる。 |
aみどころ1.扇状地面の思川(おもいがわ)低地。その周辺の第三紀中新世の火山岩と堆積岩の丘陵。 中生代付加体山地の足尾山地 みどころ2.足尾山地では、チャートの山が、凸出した峰を作る。 みどころ3.基盤山地の上に凸出する火山。 |
<北方の眺め> |
<西方の眺め> |
鬼怒川橋付近より、帝釈山地・喜連川丘陵と、日光、高原火山、那須火山を展望 |
上河内SA付近より、安山岩溶岩の突出峰羽黒山が左手に見え、それを廻り込むと鬼怒川橋。日光火山と高原火山がよく見えます。橋を渡ると、すぐに、高原火山噴出物のおおう喜連川丘陵になり矢板IC,矢板北SAをすぎて、箒川まで丘陵が続く。箒川を渡ると、那須野原の扇状地面。 |
みどころ1.基盤の帝釈山地と60-70万年前の喜連川丘陵 みどころ2.日光火山(男体、大真名子、女峰山)、高原火山(釈迦ヶ岳)、那須火山(茶臼岳) みどころ3.羽黒山・・・第三紀層(下部が大家遺志などの凝灰岩、上部が砂岩泥岩)からなり低くなだらかな宇都宮丘陵で例外的に突出。 安山岩溶岩のため。 |
<北方の眺め> |
<西方の眺め> |
那須野原の中央を流れる、蛇尾(さび)川の橋上空より、高原山・那須火山方向の鳥瞰 |
箒川を渡り、西那須野塩原IC、黒磯PA、那須ICまで、那須野原の扇状地面です。・・・その先は白河までなす火山起源の噴出物による丘陵・台地。那須野原では、西に、関谷断層と境に隆起した帝釈山地の大佐飛山山塊と、北に、特徴のある形の茶臼岳を最高にする那須火山南部の火山体が見える。 |
那須野原は、南の喜連川丘陵と北の高久(たかく)丘陵の間にできた扇状地面です。南に箒川、北に那珂川が流れています。 みどころ1.山裾に沿って、関谷断層という活断層があり、断層の延長線上に那須火山群が噴出している。今日行く、乙女の滝、沼原湿原は、関谷断層に関係して形成された地形です。 みどころ2.大佐飛山山地(安戸山、日留賀岳、大佐飛山、西ボッチ)は、帝釈山地の一部で、非火山性の山地で、時代も古く、細かい谷に刻まれています。それに対して、那須火山の南月山などは、20〜10万、茶臼岳は、1万年〜現在の新しい火山地形で、谷があまり入っていません。 |
<北方の眺め> |
4.那須火山の紹介 朱線は今回の観察ルート 図はカシミール3Dの解説本5万により作成 | |||||
日本山岳会編著「新日本山岳誌」(2005)ナカニシヤ出版 より 『那須岳: 茶臼岳1915m 三本槍岳1917m 朝日岳1896m 南月山(みなみがっさん)1775m 白笹山(しらささやま)1719m 黒尾谷岳1589m 栃木県那須郡那須町の北西部に位置する。那須火山脈は茶臼岳を 盟主に、北へ朝日岳の岩峰を連ね、さらに.三本槍岳を起こしている。 南へは南月山、黒尾谷岳などの山稜を延ばしている。 茶臼岳は那須連峰の中心的存在になるところから、那須岳とも呼ばれる。・・・景行天皇の時代に「那須国」と呼ばれる国名がこの地方に置かれ、下って文武四年(700)に湯津上村に立てた「那須国造碑」が残されているところからも、かなり古くから那須の地名は生まれていたものと思われる。那須国の高峰というところから那須岳(山)と呼ばれたと考えられる。 江戸時代に入ると、奥州道中などの主要街道をはじめ、太田原日光街道、会津日光街道などの各道が整備されて旅人の往来も多くなる。松尾芭蕉が元禄2年(1689)に「奥の細道」の旅を行い、茶臼岳裾の殺生石を句に残している。なお、殺生石近くには那須の温泉の起源にまつわる那須泉神社がある。 茶臼岳の山頂は裂岩が積み重なったような裸山である。山腹にはコシキと呼ばれる岩壁がめぐらされ、その上部を山麓駅からロープウエーが山頂直下の山稜上へつづいている。』 ・・・『三本槍岳は栃木・福畠県境に位置する那須連峰の最高峰で、眺望の良い山である。南西面に多少の岩崖があるが、全体におおらかな山容で、ハイマツが多い。山名の由来は会津、白河、黒羽の三藩が境界確認のため、槍を立てたとの故事による。 茶臼岳から南へつづく尾根は、日ノ出平を経て南月山を起こす。山頂には南月山神社の石碑があり、石の祠がある。南月山から尾根は二つに分かれ、西に向かうのが白笹山を経て沼ッ原の湿原へと広がり、東南へつづく尾根はさらに南への尾根を分けて、その先に黒尾谷岳がある。 <飯盛山北東のマウントジーンズ展望台より 那須山列の中部を望む> 茶臼岳は、2段に見える。上の段が溶岩円頂丘。下の段が火砕丘、右の方に見えるところが埋め残された火砕丘の縁。その下の厚い溶岩流の高まりは雲で見えない。 中景の鬼面山の三角形の形は、大規模地すべりの崩落崖・・・大きな尾根の先端がスパッと崩落した跡。火山には大規模な地すべり地が多い。 朝日岳〜鬼面山と続く稜線の茶臼岳側が、カルデラ壁で、以前はそこに成層火山体があった。茶臼岳はカルデラ形成後に再度噴火した中央火口丘。 朝日岳の北の、より古い火山である三本槍岳山頂は、山の肩で見えない。右端の山は赤面山。 石井良三氏撮影・提供 |
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5.那須火山の成り立ち | |||||
上の文章では、那須火山の成り立ちがよく分からないので、別のところから編集 那須火山地域 北から(甲子:かっし)旭岳、最高峰の三本槍岳(1917m)、朝日岳、茶臼岳、南月山などの火山体が並んでいる。 これら火山体の形成は 旭岳が最も古く50万年前、 次いで三本槍岳が30万年前、 朝日岳と南月山が20万〜10万年前の成層火山で、今の茶臼カルデラの部分に成層火山があった。 朝日岳の南で噴火により成層火山体が破壊され、茶臼カルデラが形成され、岩屑なだれを南東側に流した。 そのカルデラ内に、中央火口丘として、茶臼火山が成長。一万年前以降、溶結火砕丘とその上に載る溶岩ドームの茶臼岳が形成された。』 論文等から茶臼岳火山体の成立ちは、 1.朝日岳と南月山の間に、茶臼カルデラを形成。南東側に、御富士山岩屑なだれを流す。3-4万年前。 2.カルデラ中央に、茶臼岳が噴火。大沢火砕流を南東麓に流す。15,770BP 3.茶臼岳溶岩(厚いデイサイトの溶岩流)、を北西と南東に流す。 4.大丸火砕流を流す。5,770BP 5.爆発的な噴火。溶岩流の上に広い火口の噴石丘(茶臼岳火砕丘)が形成される。2,600BP 6.噴石丘の火口から、溶岩円頂丘(茶臼岳溶岩円頂丘)が噴火、せり出す。1460年(応永年間・室町時代)ごろ。 7.溶岩円頂丘の周縁から爆発。噴火口形成(無限火口)。1881年(明治 時代)。その後、噴気活動を続ける。
茶臼岳と沼原湿原周辺の地質地形図 この図で、茶臼岳火山の成り立ちを、図上で確かめてみると、分かりやすいと思います。 茶臼火山の鳥瞰図 地質で色分けしてあります。 こっちの方が分かりよいかな。色分けは、地質図と同じです。 蛇足ながら、この火山は、活動の末期に溶岩円頂丘を作って、雲仙岳のように火砕流を出し、さらに、活動末期には会津磐梯山のように、爆発カルデラを作って、岩屑なだれを流すという、たちの悪い火山で、1460年以来大きな活動は無いが、もともと時間を置いて活動する火山なので、まさに活火山ですね。 それなのに、茶臼岳の岩屑なだれ堆積面や火砕流堆積面には、温泉街や別荘地がどっさり、溶岩流の真下まじかで別荘分譲という点、嶺岡の地すべり地に別荘を建てる並みの、天をも恐れぬ所業といえましょう。 まあ、警戒情報が出たらすぐ逃げるしかないですが。 |
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6.那須火山の植生 | |||||
下図は、環境庁(1981)発行の現存植生図5万「那須岳」を、国土地理院5万地形図に移写したもの 前出るの地質図と比べてみると、那須火山の成り立ち→山ができた時代差→植生が侵入し始めた時間差→現在の植生の違い という点で見ることができます。 火山形成に伴う、植物のフロンティア競争、ヨーイドン地図というわけ。 ヨーイドン競争の結果が、植生図ということになる。 この植生図を、群落の分布と地形との関係から、読図すると・・・ 1.火山体の形成時期の差と植生 朝日岳や南月山の20万年までと、茶臼岳の1万年以降の地形とで、植生分布が大きく違う。 さらに、茶臼岳の溶岩流原や火砕流原:1万〜2600年、火砕丘:2600年前、溶岩円頂丘:500年前、噴気孔:1818以来・・・・・の火山体各部で植生が違う。 なお、火山体(上部がダケカンバ林)と非火山山地(ブナ林)でも違うようですね。 |
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<北西方向から茶臼岳と南月山を見下ろし。山体の形成時期の違いに対応した植生の違いが明瞭> |
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2.冬季の季節風と積雪の有無から、南北方向の稜線を境にして、植生が異なっている。 那須山は、冬の季節風に対しては、第3線山地にあたり、山の西側(沼原湿原の方)と東側(湯本の方)で、多雪と寡雪の違いがあります。 ブナ林の上限高度が東西で違ったりしますが、ミヤコザサとチシマザサの分布も積雪真に対応して東西に分布が違っているとのこと。・・・ミヤコザサは東の方にしかない。 |
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<南西方向から見た南月山と茶臼岳の植生> 西側(多雪)と東側(寡雪)としてみると、ブナ林の上限高度が違う。 また、西側に、コメツガ林や、ハイマツ林があり、東側には無い。 |
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また、図ではよく一部しか表現されてないが、稜線沿いに風衝草原が存在 している。 | |||||
7.1日目ルート図 赤線:コース A〜D:ルート地点。 下図は5万地形図+地質図 | |||||
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8.山麓からの那須山 この地点は、上のルート図には入らない。南東方のいろんなところから見えます。 | |||||
道の駅「友愛の里」(那須町広谷地所在)付近からの那須連山。 凡例は、前置き解説の那須山地質図と同じ。伴・高岡(1995)のデータを国土地理院5万地形図の地図画像を用いて、5万カシミール3Dにより立体化したもの。 パソコンで作ったもので、500mぐらい上空からの絵ですが、同じようなスカイラインが見えるでしょう。 実は、道の駅からは展望台が無くて見えないようですけど、近くからはこんな風に見えます。 特徴のある形をしているので、山の形を覚えてくださいね。
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那須火山のそれぞれの地形を順序立てる | |||||
次に、地形だけ覚えても、あまり意味無いですから、山の成り立ちと関連づけてみましょう。 そうすると、「山が語る」ようになるというのかなあ、俄然、面白くなります。 1.この山を、3つの火山と2つの地形の5つに区分して眺めるとよいと、前置き解説で紹介しました。 すなわち、この火山のできた順序 にそって、3つに色分けした、茶臼岳火山(赤・黄色系統)、南月山火山(青系統)、朝日岳火山(藤色系統)と、それが壊れたカルデラ地形、南月山カルデラと茶臼カルデラの3つの火山体と2つのカルデラ地形を単位に考えてください。 2.現在活動している茶臼岳火山については、3層構造(室町時代の溶岩円頂丘、2500年前の火砕丘、5000年前の溶岩流原)の地形でしたね。 3.この5つの地形、3層の山を、前置き解説で紹介した山の成り立ちと関連づけて、模式図化してみました。 |
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茶臼火山体の形成 |
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この火山は、10万年単位で、成層火山の形成⇒水蒸気爆発により、山頂が噴き飛び、爆発カルデラの形成と岩屑なだれの流下⇒中央火口丘の噴出⇒溶岩流と火砕流⇒溶岩円頂丘の形成⇒休止 という火山活動を、場所を変えて反復して行っている火山だそうです。 現在は、茶臼岳を形成中で、火砕丘が、約2600年前、溶岩円頂丘が、室町時代の応永年間(560年前)、最後の大きな噴火(無間火口形成)が、1880年という、現役活動中の活火山です。 |