滝巡り記録 その10                         もどる  つぎへ  もくじへ
滝を現地で見る(大柳川渓谷)  
 (1) 不動の滝
 (2) 天ヶ渕〜龍馬淵滝の連瀑帯、天ヶ渕滝
 (3) 観音滝と人工の滝
 (4) 涼みの滝、幻の滝、穴観音の滝、五段の滝

 (5)  銚子口二段の滝
 (5) 滝の保全、活用状況 (以下工事中)
 (6) 千葉の川と比較
 (7) 恒例、滝のデータ
              文中の図は、滝おやじ作図。無許可複製不可です
 (1) 不動の滝


 十谷に行く途中の、不動谷公園のところで、
本流に合流する支流の懸谷での滝です。
 →房総滝人間 滝之丞氏撮影 本滝7mの部分
滝高:4連の連瀑からできています。全体の比高は比高21m。
    
上にはもっとあるだろうと思います。
    地質は、凝灰角礫岩(巨摩層群鰍沢累層鳥屋安山岩質凝灰角礫岩)。
成因:もろ、懸谷の滝です
変遷:合流点からやや後退して、川の屈曲点で止まっている状態のようにみえます。
立地:屈曲点。ただ、上の様子が分からないのでなんともいえない。
滝面:いずれも線滝。地層は急斜した順層
微地形のコメント:
本滝がよく見えますが、滝面の両側に旧滝面が残り、急斜した地層(熔岩かな?)に沿って
滝面ができていたらしい。
現在の本滝面はその硬い地層を掘り抜いて下の軟らかい地層を掘っているので垂直滝面で
円形広場のような浅い滝壷を作っている。
 (2) 天ヶ渕〜龍馬淵滝の連瀑帯
 7連の連瀑からできています。全体の比高は比高30m。
 大柳川本流の遷急点下の遷急区間にあたる瀑布帯です。
 大きな支流、味噌根沢、梨木沢が分かれるすぐ上流にあり、分流点直上にできる
 遷急点のタイプといえます。
 
岩質は、凝灰角礫岩(鰍沢累層小室凝灰角礫岩)。特に硬そうな岩でもありませんね。
 天ヶ渕滝が、本滝。龍馬淵滝は、上滝Wになるでしょう。 下滝Uも立派な滝ですが、巨
礫に埋まっています。
瀑布帯平面・断面図
 
龍馬淵の滝
滝上の淵が龍馬淵


河道の屈曲点にある、直線溝形線滝。
以前の河床岩床がよくわかります。
逆層で、中傾斜、全面滝壷。
  竜馬淵
  
  天ヶ渕滝からゴルジュ帯になり、
 上滝1が龍馬ヶ淵の滝で、その上の2mの滝の滝壷
 がこの竜馬淵。

  のコメント
 滝は直下型だが落差の小さい滝で、このような立派な 滝壷の形成にはなにか理由がありそうだが、よく見て ません。



  本間 征氏撮影
 ● 天ヶ渕滝

←下見のときに、吊り橋から、
巨岩に乗り移って、滝下まで
行って撮った写真。
高さ:14.6m。下滝Tは2m。地質は凝灰角礫岩。厚い地層でゆるい逆層です。
成因:本流型の滝
変遷:瀑布帯の本滝。下滝Uが梨木沢合流点にありますから、そこから、少し上流に動
     いてきたことになります。
立地:屈曲点に滝があります。
滝面:本滝は、 面滝複合型副滝は溝状急傾斜。全面滝壷
    岩質が粒状の岩なので、滝面の岩表面は丸みを帯びています。
微地形のコメント:副滝の掘り込み形
この滝の副滝の掘り込み形は、他の滝にも似た形が見られます。やや軟らかい凝灰岩で厚い地層という共通項があると現れるようですね。
 →天狗の滝、涼みの滝、観音滝など。
この副滝は、主滝の滝面に掘られた歐穴状の部分滝壷が壊されたあと発達したのかも。
 その意味では、この滝は、房総では 袋倉川の大津の滝が変化したタイプかな。

最近の滝の変化

この滝の最大の話題は、滝のすぐ下流の超巨大な岩です。
最近、下流の滝崖がパッカリと割れて、ゴロンと倒れて来たようです。いつなのかな?。地形変化の教材には凄いような気がするが。
 こうゆう崩壊が地形変化の歴史でどう働いているのか興味がありますね。

 <天ヶ渕滝下の吊り橋わきの巨岩>
 
 右手の巨岩のさらに右手に滝がある。
 この巨岩は、今は対岸(左岸)に寄りかかっていますが、  滝の下流の右岸側の滝崖が途中から、巨大なブロックで 割れて、右岸側に倒れかかってきたもの。

 岩の下を水が流れています。

  本間 征氏撮影

 ● 天ヶ渕滝の下滝・・・これが結構いい滝デス ・・・本間 征氏撮影
天ヶ渕滝の下滝



(下の滝が本流の滝)
天ヶ渕滝の下滝

(上の滝は合流してくる支流の懸谷の滝)

味噌根沢出会いの滝
滝高 5m

この滝、巨岩に埋まっていて、名前の看板も無い
冷や飯食いの滝だけど、いい滝です。


滝面は、熔岩層と対応している。
 (3) 観音滝と人工の滝
観音滝 本流にある
房総滝人間 滝之丞氏撮影
観音滝といっている人工の滝
房総滝人間 滝之丞氏撮影

 龍馬淵の滝の上流に離れてあります。
本流の屈曲点に、3mと2mの連瀑があり、その間は深い淵になっていて、観音淵と言われていたようです。
地質は凝灰角礫岩。順層。

この滝の上が、本流の遷急点ですが、上流の広く・緩い川が、観音滝の所から急に狭く・急になる様子が吊り橋からよく見えます。

なお、観音滝の所に崖の上から水が落ちて来て滝になっています。最近はこっちを観音滝といっているみたいですが、どうみても人工の滝くさい地形なので、上から確認してみたらやはり、道路の側溝の水を引いて滝にしている人工の滝でした。
観光にはともかく、滝の本にも観音滝というとこちらがでているみたいですが、そこらへんは問題ですね。
 滝の微地形の不自然さがまず目につきます。怪しいなと思って、地図見るとすぐ人工の滝と分かる。というか、下から見上げるとフェンスが見える。人工の滝を作るなら、もっと気を入れて作るべきですね。
 こんな一見して人工の滝を作っては、観光地の名が泣く。騙すなら、騙しとおしてほしかった。こんなミエミエの人工滝はまずいよね。
 (4) 涼みの滝、幻の滝、穴観音の滝、五段の滝

 支流、梨木沢にある滝です。
 瀑布帯規模は、本流よりでかく、凄い滝ぞろいですが、涼みの滝、五段の滝以外は、
滝下にもいけないし、展望台もなくとてもいけそうもない滝ばかり。
 行った時は雨で、写真も撮れてないので、今度がお楽しみです。
 <涼み滝>


 →
 房総滝人間
 滝之丞氏撮影


瀑布帯最下流の滝で、姿のいい
滝ですね。
滝高:28m。単瀑かな。上は見えな
    いので。
    岩質は、凝灰角礫岩
成因:支流型の滝。
変遷:瀑布帯最初の滝。
滝面:面滝複合型掘出し溝形急傾斜
   急傾斜した順層の層理面が
   主滝になっていて、そこを、副
  滝が溝を掘っている。

  氏、滝下であった名古屋の女性連と油を売って大いに話が弾む。
  氏、滝の岩質など見ていて、乗り遅れ、へこむ。
 <幻の滝と穴観音の滝>
梨木沢の瀑布帯で、涼みの滝の上に、滝があり、その上に、二連でかかる滝のようです。

滝見台から望むだけで、とても滝に取りつける道もなさそうですので、何も分かりません。

凄い滝ですね。


 凄い滝でした。一生覚えていそうな景色です。
家のカミサンに、この写真を見せたら、「こんな所に行ってんなら、休みの日に家のことをほったらかして、ほっつき歩いているのもしょうがない。」と言っておりました。

 観瀑台までエライ登りで大変でございましたが、それだけのことはある景色です。落伍者がでないよう気を使いましたです。

撮影 本間 征氏
 <五段の滝>
涼みの滝〜幻〜穴観音の滝が梨木沢の本流の滝ですが、
この梨木沢の支流にある滝です。
 梨木沢本流と同期の滝です。

水量が少なく見栄えがしません。
未調査につき、詳しいこと分からず。

 この滝は、もっと下から見上げるべき滝で、遊歩道の位置ミスだと思います。
 丁度、斜面の侵食前線に沿って道がつけてあり、金がかからないが景観は最悪の滝中段に出てしまう。

  この滝、道をつけやすい所でつけたら、滝の中段に出てしまったということかしら。今の状態では、折角の滝が泣きますね。
 滝の下。滝の全景がみえて、一番立派にみえる所に道をもってくるという考えがどうしてなかったかのか。滝が可哀想です。
 同じことが、この下の、天狗の滝もそう。
滝のまん中につり橋を持ってきて、折角の姿形のよい素晴らしい滝の景観を殺してしまっている。  誰も見向きもしないようにわざわざしているとしかいえません。貴重な滝が死んでいます。

 撮影 本間 征氏
 (4) 銚子口二段の滝

ふろく デス
 道が悪いので、見に行きませんでしたね。
 とてもいい滝なので、残念でした。

 下見の写真 撮影   これまた傑作です。

下見のときも取りつけなかったので、詳しいことは分かりません。
瀑布帯の構成 二連の連瀑らしい。上滝は不明。
岩質 未確認
成因:櫛形山断層にそう断層線谷への懸谷。
変遷:本流からあまり動いてないみたい。
滝面:よく見えない。

<傑作について>
このhpを通じて、氏の提供写真はすべて自称傑作です。
ご確認ください。このような傑作だらけの写真群に対する解釈としては、
にとって傑作とは、「ブレないで全部がキチンと写った」という意味ですので、間違える人はいないと思うが、一般の傑作と間違えないでください。
 その他の記録写真  本間 征氏 
幻の滝観瀑台への登り。尾根上にある石垣。
昭和40年代まで十谷峠の途中の高地に住んでいた人達が耕作していた水田跡という。
 滝の地形のまとめ
   ただ今、工事中です。(^_^;)
 すごく、千葉県の砂岩層の滝と滝面の肌が似ていました。
 地肌に難があり、色白美人というわけに行かない、小麦色の健康娘というところか。

 しかし、線滝が多いですね。ほとんどそうです。このへん、岩石の堅さが一段高いことに関係しているかも。

 
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